映画
俳優、映像作家、文筆家など幅広く活躍する小川紗良さんのインタビュー。自身の監督作がきっかけで保育に興味を持ったお話から、新たに立ち上げた「とおまわり」について、「暮らし」の大切さに気づいたきっかけ、独立の背景や業界についてのお考えなどを伺…
優兼プロデューサー:河野知美さんインタビュー。最新作『水いらずの星』で表現したかったこととは。|矢田部吉彦 映画の配給と宣伝・ドキュメンタリー映画のプロデュース・フランス映画祭の業務に関わる。東京国際映画祭 プログラミング・ディレクター歴任。
2000年代からルーマニア映画が新しい波に乗った。「ルーマニアン・ニュー・ウェーヴ」と呼ばれる飛躍の時代にルーマニア映画は何を描いたのか。|矢田部吉彦 映画の配給と宣伝・ドキュメンタリー映画のプロデュース・フランス映画祭の業務に関わる。東京国際…
神津凛子の同名ホラーミステリー小説を窪田正孝を主演に迎えて映画化した、齊藤工監督の長編作『スイート・マイホーム』について、齊藤工監督にロングインタビューを敢行。齊藤監督の表現者、そして人としての佇まいを極力伝えるべく、対談形式の前後編でお…
神津凛子の同名ホラーミステリー小説を窪田正孝を主演に迎えて映画化した、齊藤工監督の長編作『スイート・マイホーム』について、齊藤工監督にロングインタビューを敢行。齊藤監督の表現者、そして人としての佇まいを極力伝えるべく、対談形式の前後編でお…
フランスを代表する映画監督セドリック・クラピッシュ。ヨーロッパ危機や社会価値の変容、映画規範の変化を経て、アップデートされ続ける彼の作品づくりとは。|矢田部吉彦 映画の配給と宣伝・ドキュメンタリー映画のプロデュース・フランス映画祭の業務に関…
芸能事務所に所属してテレビや映画などのマスメディアで活躍しながらも、独立と起業というオルタナティブな選択をした若手実力派俳優、佐藤玲にインタビューを行った。10代から俳優業一筋で邁進してきた彼女が、30代を迎えたタイミングで独立、起業に至った…
日本の夏は戦争映画の夏でもある。セルゲイ・ロズニツァ監督作品をいま日本で公開する意味とは―サニーフィルム有田氏インタビューとともに探る。|矢田部吉彦 映画の配給と宣伝・ドキュメンタリー映画のプロデュース・フランス映画祭の業務に関わる。東京国…
宮﨑駿監督の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』が公開中だ。絶賛の声もある一方、「わからない」との声も聞かれている。私たちは宮﨑氏の映画から何を受け取るか。「下の世界」、「石」、そして「アオサギ」というキーワードを軸に、現実に立脚した作…
二人の少年の友情と関係性の破綻を描く新作『CLOSE/クロース』を引っさげて4年ぶりに来日した若き天才、ルーカス・ドン監督にインタビューを実施。本作の演出意図や彼の創作の根源にある考え方、芸術の世界で昨今激しく議論されているポリティカル・コレク…
『Anatomy of a fall』 Copyright 2023 Les Films Pelléas/Les Films de Pierre 2023年5月にカンヌ映画祭が華やかに開催され、日本映画の受賞のおかげで国内でも大いに報道された。日本映画以外にも注目作は多く、今年はどのような傾向があったのか、あるい…
京都を本拠地として活動する人気劇団「ヨーロッパ企画」。これまで「サマータイムマシン・ブルース」(2001)や「九十九龍城」(2021)などの本公演が高い評価を受けている。その「ヨーロッパ企画」の代表でもあり中心的存在が、上田誠。すべての本公演の脚…
二ノ宮隆太郎監督新作『逃げきれた夢』(6月9日公開)が、2023年の第76回カンヌ映画祭(5月16日~27日)の「ACID」部門に選出された。独特の世界観とテンポを持つ二ノ宮監督の才能は早くから注目されており、これまでも海外映画祭への出品は少なくなかったが…
TÀR/アメリカ/2022年 © 2022 FOCUS FEATURES LLC. 2023年3月に行われた米アカデミー賞では下馬評通りに『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)が圧倒的な存在感を発揮し、これをもって2022年の賞レースを巡る喧騒もひと段落した感…
俳優、細田佳央太は、才能のある監督たちに愛されている。映画初主演となった『町田くんの世界』(2019年)では石井裕也監督と、『子供はわかってあげない』(2021年)では沖田修一監督とのコラボレーションが大きな注目を集めた。そんな彼が新たにタッグを…
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(以下、『エブエブ』)は、2023年3月12日(米国ロサンゼルス現地時間)に開催されたアカデミー賞にて、今回最多の7冠を獲得した。個人的には、この映画が成し遂げた数々の快挙は自分ごとのように嬉…
©Alexander Janetzko/Berlinale2023 2023年の2月16日から26日にかけて、ベルリン映画祭が開催された。伝統的に「社会派」と呼ばれることが多く、LGBTQ+という言葉が世間に定着する遥か以前より「レズゲイ」映画を積極的に上映し、コンペティション部門で「…
学生から社会人へ、その変化のタイミングは人それぞれ。けれどどんな形でも、はじまりの季節は希望と不安に満ちていて、何か拠りどころが必要だと感じる瞬間も少なくないのでは。そこで、あしたメディアから新たに歩みを始めるみなさんへ、この春に新社会人…
© Paul Smith 個人差はあるだろうが、現代を生きるにおいて「正しさ」、いわゆるポリティカル・コレクトネス(以下、PC)を全く意識しないという人はいないだろう。ソーシャル・メディアで発信することが日常となり、「社会的に間違っていないこと」にいかな…
2012年夏に公開され、話題となった映画『桐島、部活やめるってよ』。高校のスクールカーストを切り出し、その各階層における内面の葛藤を群像劇スタイルで描いた作品だ。同作はじわじわと映画ファンの支持を集め、息の長い興行を記録した。原作者は、朝井リ…
「ノンシャラン」という言葉をご存じだろうか。1980年代くらいまではよく使われていた気がするけれども、最近は耳にすることがめっきり減った。もとはフランス語の「nonchalant」という形容詞で、「のほほんとした」「無頓着な」「無関心な」「冷淡な」とい…
ミニシアターで映画を観たことがあるだろうか。ジャンルや規模を問わず国内外の作品を新旧ともに上映しているミニシアターでは、多様なテーマを扱った映画に出会うことができる。多様な作品を観ることは、新しい視点を得たり他者への想像力を持ったりするこ…
2022年は、またもや大変な1年となった。身近な世界で戦争が勃発した。多くの命が失われ、経済が動揺し、国際社会は揺れ続けた。米国では中絶の合憲性が覆され、女性の人権が脅かされている。そしてドキュメンタリー映画作家は、自らの語る物語を通じて激動す…
『メタモルフォーゼの縁側』『恋は光』など、良質な作品が次々と生まれている2022年の日本映画界。その中において、とても静かだが強い存在感を示す傑作が、年の瀬に劇場公開となる。『ケイコ 目を澄ませて』(12/16公開)は、聴覚障がいを持つプロボクサー…
2015年11月13日、金曜日。 パリの複数の地域で同時に無差別テロ攻撃が発生した。130名の死者を出す、フランス史上最悪のテロ事件であった。イスラム国/ISILに繋がる実行犯たちは早々に特定され、数日のうちには逮捕あるいは死亡に至ったが、事件はフランス…
映画に国際的な視点を持ち込むには、なにも大都市で暮らしている必要などない。問題意識の持ち方次第で、広がりのある映画はどこでも作ることが出来る。どこにいても、国際的な評価に繋がる作品を作ることが出来る。 この一見当然に思えながら、実践できる人…
©21世紀の女の子製作委員会/©21st Century Girl Film Partners 映画監督の声明や「ジェンダーバランス白書2022」などの各種調査を通じ、映画界におけるジェンダー格差を取り上げるニュースに触れることが多い。格差は良くないが、ニュースになることは良い…
日本で紹介される機会が多くないものの、国際的に活躍する若手監督が増えてきたことで注目されているのがインドネシア映画だ。2022年のベルリン映画祭のコンペティション部門で受賞を果たしているカミラ・アンディニ監督や、2017年のカンヌ映画祭に出品歴の…
『地獄』©︎2009 Lobster Films / France 2 Cinema 2022年の上半期を振り返ったときにひとつ思うのが、クラシック映画に新たなファンが付き始めているのだろうか?ということだ。いや、去年からその予兆はあったのかもしれない。2021年7月に開催されたケリー…
©︎たらちねジョン(秋田書店)2021 65歳、夫と死別し1人になった女性が監督を目指して映画界という海へ船出する。その姿を描いた漫画『海が走るエンドロール』にいま、注目が集まっている。主人公のうみ子は、久しぶりに入った映画館でたまたま出会った美大…
カンヌ映画祭が世界で最も重要視される映画祭である所以は、ひと言でいえば、ハリウッド映画の対抗軸としての「アート映画の牙城」であるからだ。映画を芸術と位置付け、効率的な助成金制度により国際共同製作にも貢献する映画大国フランスを象徴する場が、…
ベルリンから東京へ 2年振りにベルリン映画祭に出かけてきたので、本コラムではその様子を詳しくレポートするつもりだった。素敵な作品を多く見ることができて、観客を入れて開催される国際映画祭の醍醐味も十分に味わい、充実したベルリンだったので書きた…
「ハンサム」の概念は、男性だけに使われるものだろうか。 いや、決してそんなことはない。2022年、国際女性デーである3月8日に、芸能事務所アミューズは女性キャストだけで構成するライブを開催する。その名も「AMUSE PRESENTS SUPER HANDSOME W LIVE "HAND…
『香川1区』©ネツゲン ドキュメンタリーとは何か。その定義を語り始めたら本が1冊書けてしまう。いや、僕には書けないけれど、ドキュメンタリー製作の現場に身を置いたこともあるし、観客としても好んで鑑賞し、いったいドキュメンタリーとは何なのかという…
『懺悔』(c) Georgia Film ,1984 (c) RUSCICO, 2003Monanieba/1984年/ジョージア映画/カラー/153分/スタンダード/字幕:松澤一直 監修:児島康宏 それまで知らなかった映画監督の「発見」が、映画祭を運営する側としても、そして観客としても、この上ない喜…
2021年12月23日、「あしたメディア in Podcast」が始動した。メインMCの、2人組ラップデュオchelmicoのRachelさんと映画解説者の中井圭さんが、各回ゲストスピーカーを迎え、「社会を前進させる取り組み」をテーマに様々な切り口から”いま”知りたい情報を全1…
あらゆるイベントがそうであったように、世界の映画祭も2020年はコロナの大波に飲まれ、規模縮小や延期や中止を余儀なくされた。そして2021年は、本来の形に近づける努力がなされながら、多くの映画祭が何とか無事に実施されたようである。しかしカンヌは例…
2014年、映画『それでも夜は明ける』(2013)が、第86回アカデミー賞作品賞を受賞した。同作は、19世紀中頃の黒人奴隷とその解放について描いたものだ。同作の作品賞受賞は、大きなインパクトをともなう快挙だった。その理由は、アカデミー賞設立から80年以…
私はハリウッドの作るロマンティック・コメディ映画の大ファンです。 ちょうど大学生の頃がメグ・ライアンの全盛期で、彼女が監督/脚本家のノーラ・エフロンと組んで次々とヒット作を放っていました。『恋人たちの予感』(1989)でニューヨークの勝気なキャ…
小学生のとき書いた作文に、「大人になったらお嫁さんになる」と書いた女子は1人ではなかったと思う。結婚をすることは、幸せで正しいことだと幼いながらに思っていたのだろう。筆者もそんな1人だった。 それが大人になると、幸せで柔らかなイメージであった…
©️Shigeo Gomi リム・カーワイという監督をご存じだろうか。大阪を拠点のひとつにしながら、軽やかなフットワークで世界中を舞台にした映画作りを続けている監督である。新作『COME & GO カム・アンド・ゴー』は日本がアジアの一部であることを強く意識させ…
アメリカのインディペンデント映画と聞いて、すぐにジョン・カサヴェテスの名前を出すのは単純過ぎるとの誹りを免れないかもしれないけれど、もう条件反射のようなものなのでしょうがない。愛の裏側を生々しい人物観察を通じて活写したジョン・カサヴェテス…
大学生が日本映画の主人公になるケースがとても少ないように思われるのは、気のせいだろうか。いや、それなりの数はあるのかもしれないけれど、どうも高校生に比べると分が悪い気がする。メジャー系とインディペンデント系を問わず、女性の高校生を主要なキ…
新型コロナウイルス感染拡大によって苦境に陥った映画界。中でも、規模の小さな「ミニシアター」とよばれる全国の映画館は、壊滅的なダメージを受けている。そんなミニシアターを救うべく多くの映画人が立ち上がった。その中のひとりが、入江悠監督。彼は、…
「いま、全国のミニシアターを最も巡っている映画監督は誰か」と問われたら、多くの映画人が入江悠監督の名前を挙げるだろう。 1年半以上の新型コロナウイルス感染拡大によって休業や営業制限に追い込まれた映画館の中でも、規模が小さく経営的にも難しさを…
日本アカデミー賞など多くの映画賞を受賞し、映画ファンや評論家からの評価も高い『孤狼の血』など傑作を次々と生み出し、日本を代表する映画監督へと飛躍している白石和彌。彼の最新作であり、ヒット作の続編である『孤狼の血 LEVEL2』がいよいよ2021年8月2…
映画監督、白石和彌。 悪役リリー・フランキーを活かした演出が話題を集めた『凶悪』(2013年)や、愚かな男の純愛を尋常ならざる形で見せる『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)、香取慎吾の新しい面を引き出した『凪待ち』(2019年)など傑作を連発…
メジャーとインディペンデントの双方で支持される稀有な監督:石井裕也監督 石井裕也監督作品が立て続けに公開されている。2020年の『生きちゃった』でいつになくシリアスな石井作品に驚かされたのも束の間、今年は『茜色に焼かれる』に次いで『アジアの天使…