よりよい未来の話をしよう

映画

ウクライナ映画緊急上映:その意図、内容、そして祈り

ベルリンから東京へ 2年振りにベルリン映画祭に出かけてきたので、本コラムではその様子を詳しくレポートするつもりだった。素敵な作品を多く見ることができて、観客を入れて開催される国際映画祭の醍醐味も十分に味わい、充実したベルリンだったので書きた…

女性だって“ハンサム”なライブができる 俳優・清水くるみさんインタビュー 

「ハンサム」の概念は、男性だけに使われるものだろうか。 いや、決してそんなことはない。2022年、国際女性デーである3月8日に、芸能事務所アミューズは女性キャストだけで構成するライブを開催する。その名も「AMUSE PRESENTS SUPER HANDSOME W LIVE "HAND…

ドキュメンタリー雑感:エンタメ化、国際化、そしてジャーナリズム化の傾向について…

『香川1区』©ネツゲン ドキュメンタリーとは何か。その定義を語り始めたら本が1冊書けてしまう。いや、僕には書けないけれど、ドキュメンタリー製作の現場に身を置いたこともあるし、観客としても好んで鑑賞し、いったいドキュメンタリーとは何なのかという…

未知なる国の発見:「ジョージア映画祭」への誘い

『懺悔』(c) Georgia Film ,1984 (c) RUSCICO, 2003Monanieba/1984年/ジョージア映画/カラー/153分/スタンダード/字幕:松澤一直 監修:児島康宏 それまで知らなかった映画監督の「発見」が、映画祭を運営する側としても、そして観客としても、この上ない喜…

あしたメディア in Podcast #1−#2 ソーシャルグッドって何だろう?身近な“気づき”から考える

2021年12月23日、「あしたメディア in Podcast」が始動した。メインMCの、2人組ラップデュオchelmicoのRachelさんと映画解説者の中井圭さんが、各回ゲストスピーカーを迎え、「社会を前進させる取り組み」をテーマに様々な切り口から”いま”知りたい情報を全1…

濱口竜介と杉田協士:2021年の国際映画祭を賑わせたふたりに共通するもの

あらゆるイベントがそうであったように、世界の映画祭も2020年はコロナの大波に飲まれ、規模縮小や延期や中止を余儀なくされた。そして2021年は、本来の形に近づける努力がなされながら、多くの映画祭が何とか無事に実施されたようである。しかしカンヌは例…

「普通」という言葉で、世界を「簡単」にしたくない 『彼女が好きなものは』草野翔吾監督インタビュー

2014年、映画『それでも夜は明ける』(2013)が、第86回アカデミー賞作品賞を受賞した。同作は、19世紀中頃の黒人奴隷とその解放について描いたものだ。同作の作品賞受賞は、大きなインパクトをともなう快挙だった。その理由は、アカデミー賞設立から80年以…

ハッピーエンドを求める気持ちを後押しする、”ロマンティック”が持つ力

私はハリウッドの作るロマンティック・コメディ映画の大ファンです。 ちょうど大学生の頃がメグ・ライアンの全盛期で、彼女が監督/脚本家のノーラ・エフロンと組んで次々とヒット作を放っていました。『恋人たちの予感』(1989)でニューヨークの勝気なキャ…

人と違ってかわいそう、 そんなステレオタイプは「うるせえよ」 ふくだももこ監督インタビュー

小学生のとき書いた作文に、「大人になったらお嫁さんになる」と書いた女子は1人ではなかったと思う。結婚をすることは、幸せで正しいことだと幼いながらに思っていたのだろう。筆者もそんな1人だった。 それが大人になると、幸せで柔らかなイメージであった…

リム・カーワイ監督:アジアと日本を繋ぐ軽やかなドリフター

©️Shigeo Gomi リム・カーワイという監督をご存じだろうか。大阪を拠点のひとつにしながら、軽やかなフットワークで世界中を舞台にした映画作りを続けている監督である。新作『COME & GO カム・アンド・ゴー』は日本がアジアの一部であることを強く意識させ…

『スウィート・シング』:アメリカン・インディペンデントの幸せな系譜

アメリカのインディペンデント映画と聞いて、すぐにジョン・カサヴェテスの名前を出すのは単純過ぎるとの誹りを免れないかもしれないけれど、もう条件反射のようなものなのでしょうがない。愛の裏側を生々しい人物観察を通じて活写したジョン・カサヴェテス…

『君は永遠にそいつらより若い』:モラトリアムの先にあるもの

大学生が日本映画の主人公になるケースがとても少ないように思われるのは、気のせいだろうか。いや、それなりの数はあるのかもしれないけれど、どうも高校生に比べると分が悪い気がする。メジャー系とインディペンデント系を問わず、女性の高校生を主要なキ…

『シュシュシュの娘(こ)』でミニシアターを可視化する 入江悠監督インタビュー(後編)

新型コロナウイルス感染拡大によって苦境に陥った映画界。中でも、規模の小さな「ミニシアター」とよばれる全国の映画館は、壊滅的なダメージを受けている。そんなミニシアターを救うべく多くの映画人が立ち上がった。その中のひとりが、入江悠監督。彼は、…

日本映画の労働環境の貧しさを変えるために 入江悠監督インタビュー(前編)

「いま、全国のミニシアターを最も巡っている映画監督は誰か」と問われたら、多くの映画人が入江悠監督の名前を挙げるだろう。 1年半以上の新型コロナウイルス感染拡大によって休業や営業制限に追い込まれた映画館の中でも、規模が小さく経営的にも難しさを…

『孤狼の血 LEVEL2』で挑んだ改革 白石和彌監督インタビュー(後編)

日本アカデミー賞など多くの映画賞を受賞し、映画ファンや評論家からの評価も高い『孤狼の血』など傑作を次々と生み出し、日本を代表する映画監督へと飛躍している白石和彌。彼の最新作であり、ヒット作の続編である『孤狼の血 LEVEL2』がいよいよ2021年8月2…

日本映画界の「孤狼」が示した未来 白石和彌監督インタビュー(前編)

映画監督、白石和彌。 悪役リリー・フランキーを活かした演出が話題を集めた『凶悪』(2013年)や、愚かな男の純愛を尋常ならざる形で見せる『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)、香取慎吾の新しい面を引き出した『凪待ち』(2019年)など傑作を連発…

石井裕也監督の世界:真っ当さというモチベーション

メジャーとインディペンデントの双方で支持される稀有な監督:石井裕也監督 石井裕也監督作品が立て続けに公開されている。2020年の『生きちゃった』でいつになくシリアスな石井作品に驚かされたのも束の間、今年は『茜色に焼かれる』に次いで『アジアの天使…