よりよい未来の話をしよう

矢田部吉彦

『スウィート・シング』:アメリカン・インディペンデントの幸せな系譜

アメリカのインディペンデント映画と聞いて、すぐにジョン・カサヴェテスの名前を出すのは単純過ぎるとの誹りを免れないかもしれないけれど、もう条件反射のようなものなのでしょうがない。愛の裏側を生々しい人物観察を通じて活写したジョン・カサヴェテス…

『君は永遠にそいつらより若い』:モラトリアムの先にあるもの

大学生が日本映画の主人公になるケースがとても少ないように思われるのは、気のせいだろうか。いや、それなりの数はあるのかもしれないけれど、どうも高校生に比べると分が悪い気がする。メジャー系とインディペンデント系を問わず、女性の高校生を主要なキ…

フランス映画最前線:カンヌ映画祭に見る多様性のゆくえ

コロナの影響を受けて世界の映画祭も中止やオンライン移行を余儀なくされている中、その動向がもっとも注目されたのが、カンヌ映画祭(以降、カンヌ)だ。2020年は残念ながら中止。カンヌ側は意地を張るかのように「中止」という言葉を使わず、ノミネート作…

石井裕也監督の世界:真っ当さというモチベーション

メジャーとインディペンデントの双方で支持される稀有な監督:石井裕也監督 石井裕也監督作品が立て続けに公開されている。2020年の『生きちゃった』でいつになくシリアスな石井作品に驚かされたのも束の間、今年は『茜色に焼かれる』に次いで『アジアの天使…