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編集部厳選!2025年7月開催の注目カルチャーイベント



(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会

あしたメディア編集部がピックアップした、直近で公開予定の注目作品や開催予定のイベント情報をお届けするカルチャーカレンダー。今回は7月のイベントについてお届けいたします。


<イベント情報>


<7月4日>

映画『ババンババンバンバンパイア』

©表記:©2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 ©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

タイトルがとても読みづらいが、「銭湯に住み着いたバンパイア」という認識を持てば、ある年齢以上の人は自然と口をつくリズムが生まれる。驚愕するのは、文字通り「国宝級」の歌舞伎役者一代記を熱演したかと思いきや、ちょっと癖のある軽妙なバンパイアまで演じる吉沢亮の達者ぶり。このレンジの広さと奥行きで、2025年の演技部門を独占する可能性を秘めている。(中井圭/映画解説者)

銭湯で働く森蘭丸(吉沢亮)、その正体は 450 歳のバンパイア。至高の味わいである「18 歳ピュアの血」を求め、銭湯のひとり息子である 15 歳の李仁(板垣李光人)の成長と純潔をそばで見守る日々だったが、ある日李仁がクラスメイトの葵(原菜乃華)に一目惚れ!恋が成就してしまえば、それすなわちピュア喪失の危機!突如訪れた絶体絶命のピンチに「恋をさせてはなるものか!」と蘭丸による決死の初恋阻止作戦が幕を開ける! ところが、そう意気込んで葵の家を訪ねるも、バンパイアオタクである葵から逆に恋心を抱かれてしまう蘭丸。 さらには蘭丸の命を狙うバンパイアハンター・坂本(満島真之介)、葵の兄である脳筋番長・フランケン(関口メンディー)が次々登場、全員の勘違いとすれ違いにより、恋の矢印が大混線! そして、そんな蘭丸のもとへ因縁の相手である兄・長可(眞栄田郷敦)の影が忍び寄る――

2025年7月4日(金)全国公開

出演:吉沢亮
   板垣李光人 原菜乃華 関口メンディー
   満島真之介 堤真一 音尾琢真 映美くらら 笹野高史 眞栄田郷敦
原作:奥嶋ひろまさ『ババンババンバンバンパイア』(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
監督:浜崎慎治  
脚本:松田裕子
製作幹事:松竹 テレビ朝日  
製作:「ババンババンバンバンパイア」製作委員会
制作プロダクション:ダーウィン  
配給:松竹
©2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 ©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

▼参考URL
https://movies.shochiku.co.jp/bababa-eiga/

 

映画『夏の砂の上』

(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会

雨の降らない灼熱の長崎を舞台に、何度も階段や坂をのぼる彼らの背中に垣間見える徒労感と終わりなき日々が、愛を失った空虚な渇きと重なって、観客をじわじわと締め上げていく。舞台の玉田真也から更に一段上げた本作の玉田演出は、まさに映画。役者も最高。(中井圭/映画解説者)

雨が一滴も降らない、からからに乾いた夏の⻑崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子と別居中の小浦治。働いていた造船所が潰れても新しい職を探さず、ふらふらしている治の前に、妹の阿佐子が、娘の優子を連れて訪ねてくる。阿佐子は、1 人で博多の男の元へ行くためしばらく優子を預かってくれという。こうして突然、治と姪の優子との同居生活がはじまることに......。

7月4日(金)全国公開

出演:オダギリジョー 髙石あかり 松たか子 森山直太朗 高橋文哉 篠原ゆき子 / 満島ひかり/ 光石研
監督・脚本:玉田真也 原作:松田正隆(戯曲「夏の砂の上」) 音楽:原 摩利彦
製作・プロデューサー:甲斐真樹 共同プロデューサー:オダギリジョー
製作:映画『夏の砂の上』製作委員会
製作幹事・制作プロダクション:スタイルジャム
配給:アスミック・エース
(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会

▼参考URL
https://natsunosunanoue-movie.asmik-ace.co.jp/

 

<7月5日〜8月31日>

展示『野町和嘉―人間の大地』

野町和嘉 「カイラス山を巡礼する娘。西チベット」 1990年 © Kazuyoshi Nomachi

写真家・野町和嘉の展示が開催される。1972年、25歳の時にサハラ砂漠を訪れて以来、世界を訪れながら取材し写真に収める。50年にもわたり、その地に暮らしてきた人と、暮らしに眼差しを向け続けた野町の写真からは、内から溢れる人の力が伝わってくるようだ。この機会にぜひ訪れてみてはいかがだろうか。(おのれい)

野町和嘉―人間の大地

会期:2025年7月5日(土)〜2025年8月31日(日)
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
時間:午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
休館日:月曜日
※ただし、7月21日[月・祝]、8月11日[月・祝]は開館。7月22日[火]、8月12日[火]は休館
観覧料:一般1,400円、65歳以上1,200円、大高生800円、中小生500円、未就学児は無料
※障害者の方は500円。ただし、小中高大専門学校生の障害者は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料 
※高校生、大学生、専門学校生、65歳以上の方、各種手帳をお持ちの方は、証明できるものをご提示ください。

▼参考URL
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00225

 

<7月11日>

映画『スーパーマン』

(c) &TM DC(c)2025 WBEI
IMAX(R)is a registered trademark of IMAX Corporation.

日米同時公開ということで、この概要を執筆している6月上旬時点では、まだ誰も観ることができない『スーパーマン』だが、アメコミ映画が下火になりつつある現在において非常に期待が持てるのは、本作の監督がジェームズ・ガンであること。彼の特徴は必ずユーモアをまぶす点で、真面目すぎると言われ続けた近年のスーパーマン映画に、ユーモアを通じた共感性を持たせることは必至。期待は大きい。(中井圭/映画解説者)

普段はクラーク・ケントとして大手メディアであるデイリー・プラネット社の新聞記者として平凡に働き、その正体を隠すスーパーマン(演:デイビッド・コレンスウェット)。そんな彼を人類の脅威と考え、陥れようとする最大の宿敵であり最高の頭脳を持った天才科学者にして大富豪レックス・ルーサー(演:ニコラス・ホルト)に立ち向かう―。絶体絶命のピンチに颯爽と現れ、その超人的なパワーで人々を救い出すスーパーマンの姿は誰もが憧れを抱くものだったが、時に国境さえも飛び越えていく≪無尽蔵なヒーロー活動≫は民衆からも政府からも問題視され始めていく―。

7月11日(金) 日米同時公開
ワーナー・ブラザース映画
(c) &TM DC(c)2025 WBEI
IMAX(R)is a registered trademark of IMAX Corporation.

▼参考URL
https://wwws.warnerbros.co.jp/superman/

 

<7月12日~8月24日>

展示『ポップ・アート 時代を変えた4人』

アートの世界でも、カラフルでよく知っているモチーフが使用されるなど、キャラクターが際立つ「ポップ・アート」。本展は、1960年代 アメリカなどを中心に発展した芸術動向を代表する4人のアーティストの作品を中心に、多くの作品が紹介される。大量生産・大量消費の時代と向き合ったアーティストの表現は、令和の時代にどう受け止められるのか、楽しみである。(おのれい)

特別展「ポップ・アート 時代を変えた4⼈」
会場︓⼭梨県⽴美術館 特別展⽰室
会期︓2025(令和7年)7⽉12⽇(⼟)〜8⽉24⽇(⽇)
休館⽇︓7⽉14⽇(⽉)、22⽇(⽕)、28⽇(⽉)、8⽉4⽇(⽉)、18⽇(⽉)
開館時間︓9:00〜17:00(⼊館は16:30まで)
主催:⼭梨県⽴美術館
後援:アメリカ⼤使館、スペイン⼤使館、NHK甲府放送局、⼭梨⽇⽇新聞社・⼭梨放送、
テレビ⼭梨、テレビ朝⽇甲府⽀局、朝⽇新聞甲府総局、毎⽇新聞甲府⽀局、
読売新聞甲府⽀局、産経新聞甲府⽀局、共同通信社甲府⽀局、時事通信社甲府⽀局、
⼭梨新報社、⽇本ネットワークサービス、エフエム富⼠、エフエム甲府
協 ⼒:⽇本航空、⼭梨交通
企画協⼒:ブレーントラスト
観覧料:⼀般1,000円、⼤学⽣500円
*⾼校⽣以下の児童・⽣徒は無料
*⼤学⽣と⾼校⽣は学⽣証等持参
*県内在住の65歳以上の⽅は無料、年齢が分かるものをご提⽰ください
*障害者⼿帳をご持参の⽅およびその介護をされる⽅は無料

▼参考URL
https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/exhibition/2025/1627.html

 

<7月16日>

展示『戦後80年企画 衣服が語る戦争』

第二次世界大戦が終結してから80年となる2025年に、衣服を通して戦争を考える展示が開催される。人間の生活に欠かせない衣服には、その時代の空気が大きく反映される。衣服を通して戦争について考えることで、これまで見えていなかった戦争の実態を知ることができるだろう。(前田昌輝)

今年は第二次世界大戦が終結してから80年の節目の年です。日清、日露戦争下の明治時代後期から昭和20年の終戦まで、約50年の間に起こった戦況や暮らしの変化は、人々の衣生活や着ることの意識を大きく変えていきました。
本展では、戦勝への期待の中で作られた着物、物資不足の節約生活の中で着られたもんぺや国民服、同時期の欧米のドレスやファッション誌、被服協會が調査のために収集したアジア各地の民族衣装などを展示し、戦争が衣服や人々の生活に及ぼした影響を考えます。また終戦後の装いや、平和へのメッセージが込められた衣服なども紹介します。

主催:文化学園服飾博物館
協力:文化学園大学図書館
会期:7月16日(水)〜9月20日(土)
開館時間:月~金 10:00~16:30(7月18日、9月12日 は19:00まで開館) 
     土 10:00~15:00(7月26日、8月23日、9月13日は16:30まで開館)
     *入館は閉館の30分前まで
休館日:日曜、祝日 *7月27日は16:30、8月24日は15:00まで開館
    夏期休館=8/8~8/17
入館料:一般1,000円、学生500円、小学生以下無料 *障がい者とその付添者1名は無料
ギャラリートーク:9月6日(土)13:00~(12:00より受付順30名)
スケッチ・デー:8月22日(金)

オンライン講演会
日時:8月2日(土)13:00~15:00
講師:朝日真 (文化服装学院教授/文化学園服飾博物館特任研究員)「国民服について」
   村上佳代(文化学園服飾博物館学芸員) 金井光代(文化学園服飾博物館学芸員)「被服協會収集の民族衣装」

▼参考URL
https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/exhibition5986/

 

<7月17日〜9月28日>

展示『終戦80周年記念特別企画 藤田嗣治 戦争と芸術のはざまで -戦場、銃後の風景、日常を描く-』

従軍画家と呼ばれる画家が居たのを知っているだろうか。第二次世界大戦下において戦意高揚と軍の宣伝を目的に指名を受け、戦争記録画を描いた画家を指すという。そのなかには日本を代表する画家・藤田嗣治もいた。
終戦80周年を迎える2025年、特別企画として藤田が描いた戦争画や、戦時下における画業が紹介される本展。アーティストの眼に戦争がどう映っていたのかを想像できる貴重な機会になるだろう。(おのれい)

藤田嗣治 戦争と芸術のはざまで -戦場、銃後の風景、日常を描く―

会期:2025年7月17日(木)〜2025年9月28日(日)
会場:軽井沢安東美術館(389-0104 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43番地10)
時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌平日)
※尚、7月23日、30日の水曜日、8月中の水曜日は開館
観覧料:一般 2,300円/高校生以下 1,100円/未就学児無料

▼参考URL
https://www.musee-ando.com/event/detail.php?id=10

 

<7月18日〜8月31日>

展示『恐怖心展』

Ⓒ 2025「恐怖心展」実行委員会

2024年に東京で、2025年頭に名古屋で開催され、約10万人が来場し話題となった展覧会、「行方不明展」。そのスタッフが再び集い、新たな展示体験を提供する。「先端」「閉所」「視線」といった、様々なものに対して抱く「恐怖心」をテーマに行われるという本展。気づいていなかった、自分自身の新しい「恐怖心」に出会えるかもしれないーー。(大沼芙実子)

『恐怖心展』
会期:2025年7月18日(金)〜2025年8月31日(日)
会場:BEAMギャラリー(東京都渋谷区宇田川町31-2 渋谷BEAM 4F) ※「渋谷駅」徒歩5分
時間:11:00〜20:00 (最終入場は閉館30分前まで) ※イベントの体験所要時間は約90分
主催:株式会社闇/株式会社テレビ東京/株式会社ローソンエンタテインメント
会場協力:東急不動産株式会社
企画:梨、株式会社闇、大森時生(テレビ東京)
医学監修:池内龍太郎(精神科医)

入場料:2,300円(税込) ※小学生以上は有料
■チケット販売(ローソンチケット)
本展の入場チケットはローソンチケットにて販売。券種は期間有効券と日時指定券がございますのでご注意ください。
チケット販売開始日:2025年6月23日(月)17:00~
▶ローソンチケット販売ページ:https://l-tike.com/kyoufu2025/

●日時指定券:下記日程における時間指定チケット(90分単位)
<対象日>
7月19日(土)、7月20日(日)、7月21日(月・祝)、7月26日(土)、7月27日(日)
8月2日(土)、8月3日(日)、8月9日(土)、8月10日(日)、8月11日(月・祝)
お盆期間:8月12日(火)、8月13日(水)、8月14日(木)、8月15日(金)
8月16日(土)、8月17日(日)、8月23日(土)、8月24日(日)、8月30日(土)、8月31日(日)
<時間帯>※上記日程において下記の時間帯を選択いただきます。
①11:00~12:30 ②12:30~14:00 ③14:00~15:30
④15:30~17:00 ⑤17:00~18:30 ⑥18:30~20:00
※混雑時はお待ちいただく場合がございます。
※会場前での待機はご遠慮いただいております。

●期間有効券:上記日時指定券の対象日以外の日程で期間内入場可能
※時間指定もございませんので、営業時間内の任意のお時間で入場いただけます。

▼参考URL
https://kyoufushin.com/

<7月25日>

映画『私たちが光と想うすべて』

© PETIT CHAOS - CHALK & CHEESE FILMS - BALDR FILM - LES FILMS FAUVES - ARTE FRANCE CINÉMA - 2024

我々が国内で観てきたどのインド映画とも違う極めて繊細な映像詩で、3人の女性たちのシスターフッドを描いた。パヤル・カパーリヤー監督のドキュメンタリー手法を活用した本作は、街のノイズを取り込み、有形無形の抑圧に揺れ動く心情に優しく肉薄する。雨降るムンバイの夜、田舎の海辺のバーがこんなに深い叙情性をもたらすとは。完全に視点が違う才能。(中井圭/映画解説者)

インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。二人はルームメイトとして一緒に暮らしているが、職場と自宅を往復するだけの真面目なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し心の距離があった。プラバは親が決めた相手と結婚したが、ドイツで仕事を見つけた夫から、もうずっと音沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋人がいるが、親に知られたら大反対されることはわかっていた。そんな中、病院の食堂に勤めるパルヴァティが、高層ビル建築のために立ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、一人で生きていくというパルヴァティを村まで見送る旅に出る。神秘的な森や洞窟のある別世界のような村で、二人はそれぞれの人生を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する──。

7/25(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開

監督・脚本:パヤル・カパーリヤー 
出演:カニ・クスルティ、ディヴィヤ・プラバ、チャヤ・カダム
原題:All We Imagine as Light/2024年/フランス、インド、オランダ、ルクセンブルク/マラヤーラム語、ヒンディー語/118分/1.66:1/字幕:藤井美佳/配給:セテラ・インターナショナル PG12
© PETIT CHAOS - CHALK & CHEESE FILMS - BALDR FILM - LES FILMS FAUVES - ARTE FRANCE CINÉMA - 2024

▼参考URL
https://watahika.com/