よりよい未来の話をしよう

編集部厳選!2025年11月開催の注目カルチャーイベント

あしたメディア編集部がピックアップした、直近で公開予定の注目作品や開催予定のイベント情報をお届けするカルチャーカレンダー。今回は11月のイベントについてお届けいたします。


<イベント情報>


<11月1日〜2026年2月15日>

特別展『プラカードのために』

 
田部光子《プラカード》1961年、東京都現代美術館蔵

美術家・田部光子(1933–2024)が、1961年に記した文章「プラカードの為に」。「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、その「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語った。田部の言葉と作品を出発点とした本展は、生きることとその尊厳について考察してきた、田部を含む7名の作家によって構成される。

社会に覆い隠された経験や心の声をすくい上げる作品たちは、改めていま「表現」する意味を問い直している。現実に抗いながら希望を手放さない人間の姿、作品を通して浮かび上がる様々な歴史や社会の在り方を見つめ、今を生きる私たちの“プラカード”を探してみたい。(花輪えみ)

特別展「プラカードのために」

■会期:2025年11月1日(土)~ 2026年2月15日(日)
■開催時間:10:00~17:00、金曜は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
■休館日:月曜日(ただし11月3日、11月24日、1月12日は開館)、11月4日、11月25日、1月13日、年末年始(12月28日-1月5日)
■会場:国立国際美術館 B3階展示室
■観覧料:一般1,500円(1,300円)

大学生900円(800円)

※( )内は20名以上の団体及び夜間割引料金(対象時間:金曜の17:00~20:00)
※高校生以下・18歳未満無料(要証明)

※心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)

※本料金で、同時開催の「コレクション2」も観覧可

■主催:国立国際美術館

■協賛:公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団

▼参考URL
https://www.nmao.go.jp/events/event/20251101_for-a-placard/

 

<11月6日〜11月9日>

イベント『手話のまち 東京国際ろう芸術祭』

「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」は、ろう者・難聴者が中心となった芸術祭である。日本で開催されるデフリンピックウィーク1週間前の開催であり、さらに、芸術祭として記念すべき第1回目という注目のイベントとなる。
本芸術祭では、ろう者・難聴者の方々のコミュニケーションの在り方や身体技法を目の当たりにするに違いない。ろう者・難聴者、聴者、舞台に立つ者、観る者、参加する者…全ての人が混じり合い、ここでしか出会えないつながりを体感したい。
チケットを購入できなくても大丈夫。当日ふらっと立ち寄れる企画も盛りだくさんなので、ぜひ気軽に寄ってみてほしい。(近森由佳)

「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」

手話のまち 東京国際ろう芸術祭(TIDAF)は、日本のろう者が中心となった芸術祭です。
本芸術祭では、国内外の舞台や映画を中心に、ろう/難聴や手話に関連する作品を上映・上演します。視覚で世界を捉える人々の視点から生まれる最先端の表現の場を共有することで、より豊かな社会とろう芸術の発展に寄与します。またマルシェやフリンジなどひらかれた場を創出することによって、地域の人々との出会い、聴者とろう者・難聴者の相互交流の場を提供します。

◼️開催期間:2025年11月6日(木)〜11月9日(日)
◼️会場:座・高円寺(東京都杉並区高円寺北2丁目1-2)他
◼️WEBサイト:https://shuwanomachi.jp/ 
◼️チケットページ:https://shuwanomachi.jp/ticket.html
◼️主催:一般社団法人日本ろう芸術協会 / 文化庁
◼️提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
◼️共催:杉並区 / 杉並区聴覚障害者協会 / 社会福祉法人 トット基金 /
NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク / 一般社団法人 異言語Lab. / IMAGINUS(株式会社コングレ)
◼️後援:一般財団法人全日本ろうあ連盟 / 公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構東京都聴覚障害者連盟 / 東京⼤学 先端科学技術研究センター当事者研究分野
◼️協力:NPO法人 東京高円寺阿波おどり振興協会 / 静岡×カンヌ×映画プロジェクト実行委員会
◼️助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成/東京芸術文化鑑賞サポート助成】/ 文化庁委託事業「令和7年度障害者等による文化芸術活動推進事業」

▼公式WEBサイト
https://shuwanomachi.jp/

▼公式SNSアカウント
Instagram:https://www.instagram.com/tokyodeaffestival/
X:https://x.com/tokyodeaffes
LINE:https://www.shuwanomachi.jp/connect.html

▼参考URL
https://shuwanomachi.jp/

 

<11月6日>

書籍『これがそうなのか』

『これがそうなのか』・永井玲衣・集英社

考えれば考えるほど何も言葉が出てこないことがある。言葉による情報が溢れていて呼吸がしづらくなることがある。言葉が怖い。けれども、永井さんの本を読むと、ことばの深いところに潜り込んでいるのに、苦しくない。本著は、どんなことばの景色へと連れて行ってくれるのだろう。(近森由佳)

ことばと出会い、ことばと育ち、
ことばを疑い、ことばを信じた。

『⽔中の哲学者たち』で⼀躍話題となった著者は、
ことばに⽀えられながら、世界を⾒つめ続ける――。
過去から現在までの著者⾃⾝を縦断し、
読者とともにこの社会を考える珠⽟のエッセイ集。
(参考URLより引用)

著者:永井玲衣
出版社:集英社
発売日:2025年11月6日

▼参考URL
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-770013-8

 

<11月7日>

映画『旅と日々』

三宅唱監督の前作『夜明けのすべて』は社会性を強く意識した作品だったが、本作はより映画の原初的な驚きにフォーカスをあてる。出来事は常に起きていて物語は芽吹いていることを、つげ義春の夏と冬を舞台に、観客は見つめる。(中井圭/映画解説者)

強い日差しが注ぎ込む夏の海。ビーチが似合わない男が、陰のある女に出会い、ただ時を過ごす―。脚本家の李は行き詰まりを感じ、旅に出る。冬、李は雪の重みで今にも落ちてしまいそうなおんぼろ宿でものぐさな宿主、べん造と出会う。暖房もなく、布団も自分で敷く始末。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出すのだった…。

11月7日(金)TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー

監督・脚本:三宅唱
出演:シム・ウンギョン、堤真一、河合優実、髙田万作
原作:つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」
製作:映画『旅と日々』製作委員会
製作幹事:ビターズ・エンド、カルチュア・エンタテインメント
企画・プロデュース:セディックインターナショナル
制作プロダクション:ザフール
配給・宣伝:ビターズ・エンド
© 2025『旅と日々』製作委員会

▼参考URL
https://www.bitters.co.jp/tabitohibi/

 

<11月8日>

書籍『生活史の方法ーー人生を聞いて書く』

岸政彦、『生活史の方法──人生を聞いて書く』、筑摩書房

いろいろな場で「生活史」という言葉を聞くようになった。人生を聞いて書く、そんな壮大なことを自分でもできるんだろうか。そのような疑問を抱えた私たちを、第一人者の岸先生が生活史の世界へと誘ってくれる。生活史の在り方から技術的なことまで、「他者の話を聞く」ことについてさまざまなことが書かれた1冊。(近森由佳)

地域で、大学で、学校で、家族で、個人で。第一人者による、最良の手引き。
沖縄で25年にわたって聞き取り調査をしてきた著者が、「他者の話を聞く」ことについてまとめた一冊。(参考URLより引用)

著者:岸政彦
出版社:筑摩書房

▼参考URL
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480077134/

 

<11月19日>

書籍『変な奴やめたい。』

あしたメディアPodcastにも複数回ご出演いただいている、お話も文章もとても素敵な伊藤亜和さんの新刊!伊藤さんの幼少期を覗き見させてくれる本作では、また新しい伊藤さんの魅力に触れ、改めてファンになってしまう。
挿絵には幼少期のお写真も盛りだくさん。エッセイとセットで楽しんで欲しい。(大沼芙実子)

パンサー・向井慧さん推薦! noteの記事で脚光を浴び、またたく間に大注目の書き手となった著者が、恥ずかしくも愛おしい子ども時代を振り返り、今の自分を見つめなおすエッセイ集。

私が私でいるだけなのに、それ自体が悪いことのように思えていた――
 
セネガル人の血を引くルーツ、容姿からくる周囲の勘違い、うまくコントロールできない自意識。「変な奴」をやめたいと願っているのにやめられない葛藤を、ユーモアをまじえて綴る人気連載に5本の書き下ろしを加え書籍化。

著者:伊藤亜和
価格:1760円(税込)
出版社:ポプラ社
装画:矢野恵司
装丁:鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)


------------
【プロフィール】
伊藤亜和(いとう・あわ)1996年、神奈川県横浜市生まれ。文筆家。学習院大学文学部フランス語圏文化学科卒業後、noteに投稿したエッセイ「パパと私」が話題となり、創作大賞2023 メディアワークス文庫賞受賞。著書に『存在の耐えられない愛おしさ』『アワヨンベは大丈夫』『私の言ってることわかりますか。』がある。本書は4作目となる。

【目次】
はじめに

変な奴やめたい
ねないこ わたしだ
じてんしゃやさんになりたい
恐怖! イワシハンバーグ
大人になるため
ダン太はともだち
気絶したい
幻のトカゲ
ガサツの宿命
土曜日のビンゴ大会
もみあげの記憶
ロシアはくもり①
ロシアはくもり②
あの写真
3人の秘密のあそび
本番に弱いのやめたい
弟のいいところ
ラーメン、その愛
恨まれたくない
変な字
Neko, Moi, Neko
服とルール

おわりに

【イベント】
「子ども時代」のエッセイを書くむずかしさ、たのしさ
『変な奴やめたい。』刊行記念
伊藤亜和×小原晩 トーク&サイン会

日時:11/29 (土) 18:00〜19:30
場所:青山ブックセンター
お申し込みはこちらから:https://aoyamabc.jp/products/11-29-2025

▼参考URL
https://www.amazon.co.jp/dp/4591187756

 

<11月23日>

イベント『文学フリマ東京41』

文学フリマとは、作り手が「自らが《文学》と信じるもの」を自らの手で販売する文学作品展示即売会で、東京では今回で41回目の開催となる。年々規模が拡大しており、今回は前回に比べ約550増の3308もの出店が予定されている。小説や短歌、ZINEなど、ここでしか出会えない文学に触れられるチャンスになるだろう。(目黒智将 )

文学フリマ東京41

■開催:2025年11月23日(日)
■時間:12:00〜17:00 (最終入場16:55)
■入場料 :1,000円(前売)
■会場:東京ビッグサイト 南1-4ホール

主催 文学フリマ東京事務局
制作 一般社団法人文学フリマ事務局
協賛 pixiv小説 / しまや出版 / 京都芸術大学通信教育課程/ 文豪コロシアム/ Nola/同レボ!(富士フイルムBIジャパン)/ブックイベントナビ
協力 文学フリマアライアンス

文学フリマ公式WEBサイト https://bunfree.net
文学フリマ 公式SNSアカウント
X(旧Twitter):文学フリマ事務局:@Bunfreeofficial 
Instagram:文学フリマ事務局:@bunfree

▼参考URL
https://bunfree.net/event/tokyo41/

 

<11月28日>

映画『兄を持ち運べるサイズに』

家族とその死を描き続ける中野量太監督の新作は、いい加減だった兄の突然の死に直面する妹の視点、元妻の視点、息子の視点によって多面化した兄の姿を通じて、人をジャッジすることについて批評する。登場人物それぞれが主観的な視点を曝け出し、善悪もその中にあることを示した点に良心を感じる。(中井圭/映画解説者)

作家の理子は、突如警察から、兄の急死を知らされる。兄が住んでいた東北へと向かいながら、理子は兄との苦い思い出を振り返っていた。警察署で7年ぶりに兄の元嫁・加奈子と娘の満里奈、一時的に児童相談所に保護されている良一と再会、兄を荼毘に付す。そして、兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化しているアパートを片付けていた3人が目にしたのは、壁に貼られた家族写真の数々。子供時代の兄と理子が写ったもの、兄・加奈子・満里奈・良一が作った家族のもの・・・兄の後始末をしながら悪口を言いつづける理子に、同じように迷惑をかけられたはずの加奈子はぽつりと言う。「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」。兄の知らなかった事実に触れ、怒り、笑って、少し泣いた、もう一度、家族を想いなおす、4人のてんてこまいな4日間が始まったー。

11月28日(金)公開

脚本・監督:中野量太
キャスト:柴咲コウ オダギリジョー 満島ひかり 青山姫乃 味元耀大
制作プロダクション:ブリッジヘッド/パイプライン
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

▼参考URL
https://www.culture-pub.jp/ani-movie/

掲載されている文章、イラストおよび写真は、BIGLOBE又は第三者が著作権を有しており、権利者の許諾なく利用できません。