©︎2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
あしたメディア編集部がピックアップした、直近で公開予定の注目作品や開催予定のイベント情報をお届けするカルチャーカレンダー。今回は2月18日〜3月3日までのイベントについてお届けいたします。
<イベント情報>
<2月21日>
映画『ゆきてかへらぬ』
女優の長谷川泰子、詩人の中原中也、文芸評論家の小林秀雄の三角関係は、鼎のような三つ巴によってこそ、危うく切実なバランスは保たれる。画面を常に支配する広瀬すず、木戸大聖、岡田将生の、端正と美の暴力に観客は圧倒され、ただこの三者を見つめていたいと願う。(中井圭/映画解説者)
京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、まだ学生だった中原中也(木戸大聖)と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。
東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄(岡田将生)がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。
しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
2月21日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:根岸吉太郎 脚本:田中陽造
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生
田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
配給:キノフィルムズ
©︎2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
▼参考URL
https://www.yukitekaheranu.jp/
漫画『アパレルドッグ 第2巻』
アパレルブランドのマーチャンダイザーを務める主人公・田中ソラトは、奨学金返済以外の給料をすべて服に費やすほどの服好き。そんな彼が、ある日突然、社内のメンズブランド立ち上げを任されることに。「ユニクロでいいんじゃない?」が常套句の“服が売れない時代”に、熱量と試行錯誤で一矢報いろうとするソラトの姿は、読者の仕事欲に火をつける。元アパレルディレクター:林田もずるによる、リアルでアツいアパレルお仕事漫画。(吉岡葵)
【あらすじ】
「服が売れない時代」にメンズブランドを立ち上げろ!
アパレルブランド「ミシロ」のMDとして働く田中ソラト(29歳・入社8年目)。
「ミシロ」メンズを立ち上げるというミッションのため、同期であるデザイナー・キヨヒトを引き抜いたものの、かなりの反発を受け…。
ブランドの肝であるデザイナーのやる気を出すため、ソラトはどう動く?
元アパレルディレクターが描く、リアルすぎるお仕事エンタメ 第2巻!
2025年2月21日 第2巻発売(講談社)
漫画『平和の国の島崎へ 第8巻』
国際テロ組織「LEL(経済解放同盟)」により育てられた主人公・島崎。最強の工作戦闘員だった彼は組織を抜け、母国・日本で平和に暮らすことを志す。漫画家のアシスタント、喫茶店でのアルバイト、ヒーローショーの着ぐるみ、草野球など、島崎の生活はあり触れた日常だ。しかしながらLELがそんな彼の平穏を許すわけがなく、彼を抹殺するためにあらゆる刺客が送り込まれる。果たして島崎は降りかかる火の粉を払い、自身が纏う暴力の因果から抜け出すことができるのか。自分自身を取り戻すために己の過去、暴力性と向き合う島崎の姿は、いまの日本は本当に平和なのか、正義とは一体何かという問いを掻き立てる。(吉岡葵)
【あらすじ】
幼少期に国際テロ組織LELに拉致され、戦闘工作員となった男・島崎真悟。
30年の時を経て組織からの脱出に成功した彼は、故郷である日本に帰ってくる。
島崎は新天地で“平和”な暮らしを手にできるのか――。
戦場と日常の狭間で生きる男のアクション譚、開幕!
2025年2月21日 第8巻発売(モーニングKC)
<2月11日〜2月23日>
展示『藤岡拓太郎ベスト展』
ギャグ漫画家・藤岡拓太郎がこれまで出した『夏が止まらない』『大丈夫マン』『たぷの里』『ぞうのまめパオ』の作品原画が約50点展示される。売り上げがパレスチナへの寄付となるチャリティポストカードなどのグッズも販売予定。会場は車椅子でも入場が可能だ。(conomi matsura)
場所:LOCAL GALLERY・BOOKS
〒165-0034 東京都 中野区 大和町 1-67-1
会期:2/11-23 13:00-19:00 (月曜定休)
※原画販売と作者在廊はありません
<2月28日>
映画『ANORA アノーラ』
2020年代に生まれた『プリティ・ウーマン』は、過去のおとぎ話に舌打ちと飛び蹴りをくらわすショーン・ベイカーらしいユーモアと苦味、弱者への目線が散りばめられる。本作がアカデミー賞を獲ろうが獲るまいが、きっと好きな映画になる。(中井圭/映画解説者)
ニューヨーク、ブルックリンでストリップダンサーをしながら暮らす“アニー”ことアノーラ(マイキー・マディソン)は、職場のクラブでロシア人青年イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会う。祖母の影響でロシア語を少しばかり理解できる唯一の存在として、アニーが接客することになったのだ。アニーの情熱的な魅力にたちまち夢中になったイヴァンは、クラブの外でも働くことができるかを訊ねる。ブライトン・ビーチにある巨大な邸宅を訪ねたアニーはイヴァンが富豪の御曹司であることを知り、若々しく奔放なエネルギーと財力に魅了されていく。
2月28日(金)全国ロードショー
監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー
製作:ショーン・ベイカー、アレックス・ココ、サマンサ・クァン
出演:マイキー・マディソン、マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフ、カレン・カラグリアン、ヴァチェ・トヴマシアン
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
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2024 年/アメリカ/カラー/シネスコ/5.1ch/139分/英語・ロシア語/R18+
▼参考URL
https://www.anora.jp/
<3月1日、3月8日>
ドラマ『土曜ドラマ「水平線のうた」』
2025年で東日本大震災の発生から14年が経つ。いまもなお震災への思いを抱えて生きる人物を描く本作からは、時間の経過と共に風化の一途を辿りがちな震災に向き合い続ける製作陣の気概を感じる。(前田昌輝)
震災で家族を失い、タクシー運転手として働く男(阿部寛)。ある夜、乗車した少女(白鳥玉季)が口ずさんだメロディー、それは妻子との思い出の曲だった‥。宮城県石巻市と女川町を舞台に、震災ドラマの名作「ラジオ」を手掛けた岸善幸が演出。“音楽を通して愛(いと)しい人の思いを繋ごうとする”人々を鎮魂の思いを込めつつ感動的に描きます。
【放送予定】
2025年3月1日(土)、8日(土)2週連続
〈総合〉よる10時~
〈BSP4K〉午前9時25分~
【概要】
〈出演〉
阿部寛 白鳥玉季 中川翼 キタキマユ 山中崇
宇野祥平 松岡依都美 山本浩司 菅原大吉 前原滉
/ 松下奈緒 加藤登紀子 ほか
〈脚本〉港岳彦
〈原案・音楽〉岩代太郎
〈制作統括〉杉田浩光(テレビマンユニオン)、高橋練(NHKエンタープライズ)、磯智明(NHK)
〈演出〉 岸善幸(特集ドラマ「ラジオ」、映画「正欲」「あゝ、荒野」ほか)