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スマホを使えば寄付になる。 BIGLOBEが新ブランド「donedone」をリリース

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2021年7月1日、ビッグローブ株式会社(以下、BIGLOBE)は新モバイルサービスブランド「donedone(ドネドネ)」の提供を開始した。これに先立ち、6月30日にはオンラインにて「BIGLOBE MVNO 新ブランド発表会」が行われた。

「donedone」は、契約時に顧客が自由に支援先を選ぶことのできるドネーションプログラムが組み込まれた新モバイルサービスブランドだ。さらに、月額2,480円で月間データ通信料50GBの使用が可能であり、スマホにも馴染みの深い若年層にとっても使いやすい仕組みに設計されている。7月1日からは、「美 少年」をイメージキャラクターに起用した新CMの放映も開始された。

今回の記事では、6月30日に行われた「BIGLOBE MVNO 新ブランド発表会」の模様をレポートする。発表会では、BIGLOBE代表取締役社長の有泉健、執行役員CMOの中川圭子から、新ブランドの戦略やサービス内容の説明、また、視聴者からの質疑応答などが行われた。

若年層の価値観に着目した新ブランドで、社会を前進させる

まず初めに、BIGLOBE代表取締役社長の有泉健より、これまでのBIGLOBEの社会貢献事業への取り組み、そして今回の新ブランドのコンセプトについてプレゼンテーションが行われた。

BIGLOBEは現在、大きく分けて通信事業と探索事業の二つの軸に基づいて経営を行なっている。会社のコアとなる通信事業に加えて、社会と環境に貢献することを第一の目標においた探索事業に本格的に取り組み始めたのは昨年のことだ。これまでに、コロナ禍における地方活性化と企業の健康経営の観点から温泉地でのワーケーションを推進する「ONSEN WORK」などに取り組んできた。今回、加えてコア事業であるモバイルサービスにおいても、社会と環境への貢献に取り組むために新たなブランドを立ち上げることとなった。

新ブランドの立ち上げに当たって注目したのがデジタル活用層でもあり、今後の消費を担うZ世代をはじめとした若年層だ。有泉社長によると、シンプルな料金設定とオンラインで申し込みからデリバリーまでが行える手軽さに加え、「社会貢献」が重要な要素の1つとなる。

Z世代のアンケート調査結果によると、「社会貢献の必要性」を感じている人が9割以上いる一方で、「活動が継続できない」と回答した人が82%にものぼっているという。この調査結果を受けて、時間的制約、費用、継続する方法がわからないといった障壁を取り除き、社会貢献活動の継続をサポートすることができる新モバイルサービスブランド「donedone」が生まれた。

「donedone」のコンセプトは「It's not just a mobile service」だ。単なるモバイルサービスではなく、消費者とBIGLOBEが一体となって社会貢献や、より良い未来を考えるきっかけを作るためのサービスとして成長させていくことを目指すという。

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ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 有泉健

「知る・学ぶ・考える」で理解を深める

続いて、中川CMOより、新ブランドのサービス内容が説明された。

「donedone」の支援領域は、教育、健康、海洋、環境、医療の5つの領域で、災害発生時などには緊急支援が登場する。各顧客が、5つの支援領域から1つを選択し、毎月の利用料から50円ずつ寄付される。支援先としてはワールド・ビジョン・ジャパンをはじめとし、豊富な活動実績を持つ支援団体が挙げられている。

中川CMOは、この新モバイルサービスにおいては「知る・学ぶ・考える」の3ステップをふまえ、社会貢献やより良い未来を作るための活動に取り組んでいきたいと語る。「donedone」の契約時に支援領域を選ぶことが「知る」の第一歩となり、「学ぶ」という面ではSDGsについてわかりやすく解説した動画を提供したり、アプリを通じて支援団体の情報を継続的に発信することで、学びの機会を増やしていくという。また、「考える」については、Twitter上でのキャンペーンや支援団体と一緒になって開催するアイデアコンテストなど、顧客とともにできるアクションが展開されていく。

「donedone」のリリースにあたり、7月1日からはテレビCMの放送も開始されている。メンバー自身もZ世代であり、「donedone」のコンセプトに共感を示すジャニーズJr.「美 少年」と新キャラクター「dondoneファミリー」によるカラフルでポップなCMだ。社会課題をより身近に感じられるようなコンテンツやきっかけ作りが今後も展開されていく。

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ビッグローブ株式会社 執行役員CMO 中川圭子

donedoneの料金プラン

「donedone」はドネーションのプログラム以外にも、料金設定の面でもZ世代や若年層が使いやすい仕組みづくりが行われている。

容量は、大容量の50GBであり、「ベーシックUプラン」と「カスタムUプラン」の2つのプランが展開されいる。「ベーシックUプラン」ではYouTube動画 HD画質(720P)で閲覧可能な通信速度3Mbpsとなり、「カスタムUプラン」では動画、SNS、ゲームなど対象アプリの中から3つのアプリを選択し、速度制限なく利用することが可能になる。
「ベーシックUプラン」および「カスタムUプラン」は、月額2,480円(税込 2,728 円)での提供となる。

これまでに、6GB以下の利用者のニーズに応え、提供されてきたビッグローブモバイルだが、今回新たに加わるdonedoneは、通信容量を気にすることなく利用することのできるサービスとなった。申し込みは7月1日より公式Webサイトにて開始されている。

質疑応答

最後に、オンライン発表会を閲覧する記者らと有泉社長、中川CMOによる質疑応答の時間が設けられた。

Q.既存ブランドと今回の新ブランドの棲み分け、事業戦略の違いはどのように設定されていますか

(有泉社長)SDGs目標達成は2030年です。行動の10年、BIGLOBEはどう行動するのか、自問自答しました。BIGLOBEだけでできることに限界があり、我々は何ができるのか、規模をどうやって大きくできるのか、その2つを問われていると考えてます。
そのような中で、自社のサステナビリティと社会のサステナビリティを同居させていく必要があると考え、昨年1月にコアの通信事業と探索事業を2軸で事業展開していくと宣言し、取り組んできました。

探索事業に取り組む中で、規模をもっと大きくしていくためにはこれまでご利用いただいているモバイルサービスを活用するべきだと判断し、今回はドネーションという点を盛り込みました。既存のブランドにおいては引き続きお客様にコストパフォーマンスを楽しんでいただきたいと考えています。新ブランドは大義とゴールを社会貢献・環境貢献へと土俵を変えました。社会や社外企業への取り組み、加えて社員の意識も変えていかなければならない。そういった観点で既存のブランドを残しつつ、新たに「donedone」を立ち上げました。

Q.3大キャリアの格安プランとの棲み分けは、また勝算はあるのでしょうか

(中川CMO)「dondone」は50GBの大容量をリーズナブルな価格で、さらに新しい価値とともに提供するブランドです。価格競争が熾烈ではありますが、それらとは一線を画す試みと考えています。
いつも身近にあるスマホが個人のみならず社会の役に立つことができないかと考え、今回のブランドを立ち上げました。これからもお客様の喜んでもらえるような、また社会の役に立つことのできるようなサービスを開発していきたいと思っております。今回の試みがお客様の理解を得られるように頑張りたいと考えています。その後に結果が結びついてくるものと考えています。

Q.速度を3Mbpsにした理由と、どの程度のユーザーを獲得できる見込みでしょうか

(中川CMO)速度については、高画質の動画が快適に見られるベーシックプランの3Mbpsを設定いたしました。今、若い方達の多くの方がスマホで動画視聴をしており、1日に試聴される時間も1時間以上の方が7割以上いる状況です。そのような方達に快適にご利用いただけるような速度というところで設定しました。
具体的な契約者数は控えますが、3年以内に現在のBIGLOBEモバイルの契約者数に到達することを目指していきたいと考えております。

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発表会参加者からの質問に答える有泉社長・中川CMO

Q.なぜ50GBのプランは社会貢献事業とのセットでのみの提供になるのでしょうか

(中川CMO)これまでBIGLOBEでは50GBまでの大容量ではご提供させていただいておりませんでした。昨今の動画視聴などのニーズと、社会貢献やSDGs、この新しい2つの課題に対してを新しいブランド「donedoone」でお応えしたいと考えております。

Q従来料金プランの12GB、30GBプランは無くなるということでしょうか

(中川CMO)BIGLOBEモバイルでご提供している12GB以上のプランですが、こちらも引き続きご提供させていただきます。BIGLOBEモバイルにはシェアシムという1つのプランを分け合ってお使いいただけるサービスがあり、根強くご支持いただいているので、引き続きご利用いただけるように考えています

Q.BIGLOBEのこれまでの社会貢献活動の実績を教えてください

(有泉社長)本格的に社会貢献環境貢献をみて動き出したのは事実的には昨年の1月のことです。実績といたしましてはお客様に紹介できるものに関しては温泉ワーケーションに取り組んでいるところであります。
しかしこれはまだ私たちの目指すところに到達しておらず、オンボーディングで進めている状態です。今後、温室効果ガスの抑制、パブリックセーフティ、医療等、SDGsの4つのテーマに対して実行していきたいと考えています。

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「donedone」ロゴを披露する有泉社長・中川CMO

社会貢献にはさまざまな形があるが、寄付は直接現場へ出向くことができなくても社会課題に関わることのできる重要な手段の1つである。一方で、有泉社長のプレゼンテーションでも示されたように、継続が難しいのも事実である。
そのような中で、毎日使用するスマホとの連携により、自動的に寄付が行われるのは画期的な取り組みと言えるだろう。今後、「donedone」の活用により、若年層をはじめとしてより社会貢献への取り組みが広がっていくことが期待される。

 

取材・文:白鳥菜都
編集:おのれい